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Directed and Produced by
純谷吉松(Itoya Kichimatsu)


■2000年1月のニュース一覧
▼[2000.01.31]神話=事実=真実
▼[2000.01.30]ヤフーに見る失敗
▼[2000.01.29]さあ,戦争だ?
▼[2000.01.28]ワイヤードと家族と
▼[2000.01.27]尊きDVDを求めて
▼[2000.01.26]有害語の明けない夜明け
▼[2000.01.25]浦島ハッカーの行く末
▼[2000.01.24]求めれば,道は得られる
▼[2000.01.22]予言ではなく意志として
▼[2000.01.21]冷たい衝撃
▼[2000.01.20]スプリングフィールドでクラスティーバーガーを
▼[2000.01.19]埋蔵物の在り処
▼[2000.01.18]神曲としてのワイヤード
▼[2000.01.17]エフェクトを捕まえろ
▼[2000.01.16]MSの新時代への穿ち
▼[2000.01.14]3D OR NOT 3D?
▼[2000.01.13]現代セキュリティーの常識
▼[2000.01.12]電話も変わらなきゃ
▼[2000.01.11]約束
▼[2000.01.10]広告付きコミュニケーション
▼[2000.01.09]テープメディア・エントロピー
▼[2000.01.08]エビアンとジーンズと
▼[2000.01.07]踊るOS,その気概
▼[2000.01.05]2000年問題君所在不明
▼[2000.01.04]20世紀は終わらせない!

■2000年2月のニュース一覧
■1999年12月のニュース一覧

 
[2000.01.31]
  神話=事実=真実


 ▼『エシュロン』プロジェクトの「証拠」発見(WIRED NEWS)
  http://www.hotwired.co.jp/news/news/culture/story/3636.html


 どんな社会にも,知ってしまってはいけない暗部がある。それはときに,神話として取り上げられ,ときに,真実として我々の目の前に舞い降りる。

 機密扱いを解かれた米国安全保障局(NSA)の文書を調べていたナショナル・セキュリティー・アーカイブの研究員が,NSAの展開するネットワーク上のスパイ組織と噂される「エシュロン」に言及している箇所を発見したと文書を公開した。その箇所は,海軍の安全保障活動の機能について書かれたものの中に存在し,憶測されているものよりも制限されたプロジェクトだとしている。

 この世界には,我々の知らないところで,知らない出来事が進行している。気付かない者は幸せだ。気付いてしまった者は,懐疑心の虜となる。エシュロンこそは,そんな出来事のひとつと云っていい(過去記事)。ワイヤードを支配する「神話」。誰も見たことがない,誰も確かめたこともないのに,エシュロンは,厳然とした「事実」のように取り沙汰され続けている。いや,きっと,紛れもない「真実」なのだろう。

 すべてがオープンになっているかのようなワイヤードであっても,ひとつの社会として機能するための取り決めとして,「隠された暗部」は存在する。東国の経済立国が,手口のお粗末なハッカーたちによって面目丸潰れにされている事態は,ワイヤードという社会に対する認識の甘さを露呈している。



 
[2000.01.30]
  ヤフーに見る失敗


 ▼ヤフー・ジオシティーズの行く末は?(CNET Japan)
  http://japan.cnet.com/News/2000/Item/000128-8.html


 一人勝ちを続けているようなヤフーでも,失敗をしている。いや,他の成功で埋め合わせている「問題」がある。日本では,その失敗を繰り返さぬよう,ソフトバンクが巧いこと緩やかに合併を進めている…(それが株価1億の成果?)。

 1年前,米国ジオシティーズ米国ヤフーに45億ドルで買収されて以来,ホームページ・コミュニティーは次なる買収劇の目玉になると思われた。が,今ではビジネスとして成り立つのかどうか疑問とさえなっている。大手のポータルと提携できないホームページサイトはやっていけない,というアナリストもいる。

 わずか1%のトラフィックを増やすためにヤフーが45億ドルを出資したとなれば,それは失敗だったともいえるだろう。続くと思われた買収劇は,米国ライコスが,ヤフーにあおられた感じで,トライポッドエンジェルファイアーを持ったぐらいで,それ以外に大きな動きはない。今はなんとも静かな,凪,状態だ。

 結局,ジオのユーザーは,ヤフーのショッピング・サイトやオークション・サイトには結びつけられなかった。それが可能だと思っていたところにヤフーの傲慢さがあった,とも云える。ヤフーの名を汚す汚点も残してしまった(過去記事)。不必要にユーザーを利用しようとしたり,偽りの言葉を使わないこと。リアルでもそうだが,ワイヤードで商売をしようとするなら,最低限のマナー,だ。



 
[2000.01.29]
  さあ,戦争だ?


 ▼「サイバー戦争の襲来」 省庁サイト改ざん(Mainichi INTERACTIVE)
  http://210.173.172.13/digital/netfile/archive/200001/28-5.html


 一発の銃声から始まる戦争もある。ウェブの書き換えから始まる戦争もある,が…。

 24日17:45ごろ,科学技術庁のウェブが改竄(Nikkei BizTech News!)。その後,25日8:30ごろに総務庁のウェブが改竄,総務庁統計局では公開していた統計データが消去された(日経コミュニケーション)。26日6:45ごろ,調整中にしていた科技庁のウェブがさらに改竄(asahi.com)。27日,政府は「検討グループ」の初会合を開くが,不正アクセスはとどまらず,27日夕,人事院近畿事務局のウェブでデータの大部分が消去された。日銀のウェブには7分間に1600回,大蔵省情報管理室では27秒間に3000回という頻度で不正アクセスが確認されている(NIKKEI NET)。27日21:00過ぎには運輸省のウェブが改竄,書き換えられたページで犯人は「湖南省のBilly」と名乗っている(Mainichi INTERACTIVE)。また,通産省のウェブではTV CMで使われている「ダンシングベイベー」の動画が表示され,ハッカーとの関連が指摘されたが,ホームページ作成業者のミスであるとわかった(Mainichi INTERACTIVE)。

 ハッキングの大部分は,南京大虐殺に関する日本政府への非難の文面などが残されていた。まぁウェブが書き換えられたくらいなら,なにか実害があるわけでなし(巧妙にニセの情報が流されたりしなければ),どうでもいいような気もするのだが…。もともとこの国には,悔しさに地団駄を踏むほどの愛国心は存在しないだろうし…。

 ということで「サイバー戦争」なんて言葉を聞くとコッパズカシイ気分になってしまうのだが,それでも簡単に侵入を許してしまう政府サーバーの貧弱さは目に付いてしまう。セキュリティホールmemoさんによると,科学技術庁のサーバーはもはや維持されていないものだったとのこと。サミット参加国でこんなテイタラクとは,戦争する気にもならないネ,イヤハヤ。



 
[2000.01.28]
  ワイヤードと家族と


 ▼インターネットの実態知ろう/仙台市PTA協が勉強会(河北新報)
  http://www.kahoku.co.jp/News/2000/01/20000125jy_03.htm


 パソコンメーカーのCMなどに騙されず,考えてみたほうがいい。ワイヤードで,家族という仕組みが意味を持つのかどうか。ここでは,人はひとりでしかないんじゃないかどうか。家族という繋がりは,存在しないんじゃないかどうか。

 仙台市内の小,中学校PTAでつくる市PTA協議会が,インターネットについての勉強会に取り組んでいる。子供たちの間にも急速に普及するインターネットだが,猥褻な画像に行き当たったり,法外な国際電話料金を請求されるトラブルが増えている。

 なんか,ほのぼのとしていいニュースだ(^_^;)。に,しても,記事中にある,供用教材について調べようとしたら,アドレスを間違え,猥褻画像を載せたページに行ってしまったという話…。(りんりんさんがおっしゃる通り)そりゃあなた,お父さんが夜中にHなページを見てて,その履歴が残ってて,URLをオートコンプリートしてるだけでしょ。そこから家庭崩壊が始まらないことを祈りますな(^_^)。

 家庭で使うインターネット,という言葉にはどこか胡散臭さや奇弁さが感じられる。ワイヤードという空間は,家庭という支配力が行き届かないところで,個人の責任と自覚が必要である。それを持たぬ者は,足を踏み入れてはいけない。小学生であっても,と思うが,どうだろう。(ネタ参照元:りんりんのサイエンスニュースさんm(_ _)m)



 
[2000.01.27]
  尊きDVDを求めて


 ▼DVDハッキングツール事件で少年を逮捕(CNET Japan)
  http://japan.cnet.com/News/2000/Item/000126-5.html


 現代においてDVDは,尊(たっと)きものとしてあるだろうか。それとも,世俗にまみれたものとしてあるだろうか。人々の利権や権益にまみれて,DVDは普及する前に汚れていく…,汚れていく…。

 ノルウェー警察は,DVDのセキュリティーを破る「DeCSS」と呼ばれるプログラムを開発,配付したとして,16歳のヨン・ヨハンセン容疑者を逮捕した。ヨハンセン容疑者は,リナックスOS上でDVDを見られるようにするため,再生の独占的権限に抗議していることを述べている。

 記事を読んで,妙な気持ちになった人も多いだろう。DVDにかけられているセキュリティーの第一の目的は,目の届く範囲の者たちにしかDVDプレーヤーを作らせないことなのだ。実は複製を規制しているのではなく,再生自体をも規制している。そうしないと,ライセンス料金のようなものを集めることが困難になる,というわけ。だから,なんだかわからんが勝手に再生できるソフトを作るような輩には,厳重に制裁を加える。…自らの金と権利のために。

 DVDにまつわる胡散臭さは,そこら辺から漂う。次世代のメディアとして普及させようとする前に,一部のメーカー,団体の小銭稼ぎ的なものに落ちているふしがある。普及しない原因はそこに起因しており,尊き存在としてのDVDは,この世界に現れることはないんだなぁ;-P



 
[2000.01.26]
  有害語の明けない夜明け


 ▼ネットの悪口シャットアウト 自動削除システム(asahi.com)
  http://www.asahi.com/tech/news/20000122e.html


 500の有害語をあげてみろと云われて,すらすらとあげられる人間は少ない。けれども,どんな人でも,持っている有害語はある。その板挟みの中で,有害語をはじくシステムを構築することなどできるのだろうか。

 家庭用テレビゲーム機「ドリームキャスト」を製造販売するセガ・エンタープライゼスは来月、ドリキャスの所有者向けに運営するチャットに,誹謗中傷などの有害発言を自動的に削除するシステムを導入する。システムには,約500の有害語が登録されている。

 実はだいぶん前にもこのシステムを取り上げたことがあった(過去記事)。で,どんなアホがこんなシステムを使うのかと思っていたら,セガでした(^_^;)。なんともはや…。基本的なスタンスとして,このようなシステムを使ったからといって,有害発言がなくなるとは思えない。それは,人間というものが根本的に人を憎み,貶め,蔑む性格を持っているとも云えるからだ。

 そんなだから,悪口や陰口がなくなるわけがない。たとえば,「セガの馬 鹿」とか「セガのク ズ」とか(^_^;)半角スペースを挟むことで,自動的な削除は効かなくなる。セガが,このシステムにいったいいくらお金をつぎ込んだのか知らないが,もっとお金を使わなくちゃいけないこと,多いのに,ねぇ。



 
[2000.01.25]
  浦島ハッカーの行く末


 ▼コンピュータ・ハッカーの「罪と罰」:伝説のKevin Mitnickが仮釈放(Nikkei BizTech News!)
  http://bizit.nikkeibp.co.jp/it/top/view/future/backnum/2000/1h/20000124.html


 1年も過ぎれば,体内のすべての血が入れ替わるようなワイヤード。5年の歳月を経て,この場所に戻ってきた英雄は,竜宮城から戻ってきた浦島太郎か? 彼の,土産箱となるものは,なに?

 米国で史上最強のコンピュータ・ハッカーと騒がれ,モトローラ社やノベル社など大企業のデータベースを荒らし回った末,95年2月にFBIに逮捕されたケビン・ミトニックが,今月21日にロサンゼルスの刑務所から仮釈放された。彼には今後3年間,保護観察期間として,コンピューターや携帯電話,モデムなどから,インターネットも使用することが制限される。

 科学技術庁総務庁のホームページがハッキングされるというニュースが続いているが(asahi.comの記事),そのような事象の根幹を作った人物が,ケビン・ミトニックといってもいい。別に,大切な情報を手に入れたからといって,金銭を要求するでもなく,なにか取引をするわけじゃない。スリルと技量を試しているだけ。または,なんなる悪ふざけ。

 現在のハッキング(クラッキングとは区別したもの)のカテゴリーはミトニックの行動によって彩られた感が強い。だが,5年に渡ってPCなどの知識から遠ざかり,今後も制限を受けるとなると,彼のハッカーとしての復帰はちょっと難しそうだ。ハッカーを潰すには,時間という重荷が役に立つ。



 
[2000.01.24]
  求めれば,道は得られる


 ▼Athlon用オーバークロックツール「Afterburner!」デビュー(Impress AKIBA PC Hotline!)
  http://www.watch.impress.co.jp/akiba/hotline/20000122/etc_afterburner.html


 CPU自体にカードを取り付け,CPUが持っている拘束具を外したり,CPUの持っている力を別の方向に転移させることができる。次第にブラックボックス化していくハードウェアだからこそ,そんな部分があることが,嬉しい。

 アスロンチップ上のゴールデンフィンガーと呼ばれる端子に取り付け,動作クロックの倍率や電圧値を自由に設定できるというアダプタ「アフターバーナー」が秋葉原で入手できるようになった。このアフターバーナーを使えば,ハンダ鏝を使って抵抗を変えるなどの面倒な作業なしに,設定が変えられるようになる。

 この,アフターバーナーなるもの,実際にテストをしたわけではないのであくまで伝聞の話だが,500MHzを800MHzに,600MHzを750MHzまで変更することも可能ということだ。アフターバーナー・カード上には3つのダイヤルがあり(写真),そのダイヤルを回すことで,動作クロックと電圧値をいじくれる。クロックをいじる他の方法よりも簡単,簡単。

 速さを求める気持ちが,その速さを実現させることができるのは幸せだ。求めれば,道は得られる。だんだんと閉鎖的になっていくパソコンの機器の中で,CPUは自らが切り開くことができる,道としてあって欲しい。もちろん,それによって動作スピードが不安定になったり,一気にイカレてしまったりすることもあるだろう。ただ,それでも,道があることの嬉しさが,私たちをPCに向かわせる。



 
[2000.01.22]
  予言ではなく意志として


 ▼『クルーソー』がダイアモンドと提携(WIRED NEWS)
  http://www.hotwired.co.jp/news/news/business/story/3605.html


 数年後,ほとんどのモバイルデバイスには,「TRANSMETA」という刻印があるだろう。現時点でのアドバンテージの大きさは,その予言を現実に変える…,否,それは我々の意志であるかもしれない。

 米国トランスメタ社のクルーソー・プロセッサーの発表を受けて20日,ダイヤモンド・マルチメディア社はクルーソーを近々発売される「ウェブ・パッド」に搭載する予定だと語った。ウェブ・パッドはインターネットにワイヤレス接続できるモバイルツール。クルーソーの発表の席では,OEM契約をした提携先が1社もなかったが,トランスメタ社は10数社が製品に組み込む予定だと述べている。

 昨日(過去記事)の続き。では,どこがクルーソーチップを使うのか。最初は日本のノートパソコンメーカーが作業をしているというのが流れた(ZDNet Newsの記事)。一日おいてコンパック,東芝,富士通が評価中(ZDNet Newsの記事),NECも評価しているという(CNET Japanの記事)。もちろん,バイオでこの市場を席巻しているソニーの名前も,表に出てないだけだろう。もともと小型のデバイスの人気が高い日本では,クルーソーがもてはやされるのは確実だ。だが,チップは,AMD社がそうであったように,大手の評価が固まるまでに時間を必要とする。

 人気のワークパッドに,ウェブブラウジングができるようにし,日頃使うウインドウズアプリの処理を可能にする性能を保持しつつ,もちろん,それ単体でワイヤードにアクセスできるデバイス。それを可能にするのは,クルーソーをおいて他にない。製品が出揃うのもそれほど先ではないだろう。なにせ,今私たちが一番求めているのはそんな製品なのだから。これは予言でもなんでもない,意志,だ。



 
[2000.01.21]
  冷たい衝撃


 ▼トランスメタがノートブック/情報家電向けプロセッサを発表(PC WEEK ONLINE)
  http://www.zdnet.co.jp/pcweek/news/0001/20/00012004.html


 10数年前,夏場にはパソコンをあおいで使うこともあった(^_^;)。そうしないと,フリーズするのだ(熱くなって止まってもフリーズとはこれいかに(^^ゞ)。パソコンの発達の歴史の裏側は,「発熱」との戦いでもあったの,だが…。

 これまで沈黙を守ってきた米国トランスメタ社が19日,1ワットという低消費電力で700MHzでも動作可能なクルーソー・プロセッサーを発表した。このチップはコードモーフィング技術によって,ウインドウズのすべてのアプリケーションの実行を可能にしている。また,ロングランと呼ばれる電源管理技術で,使用するアプリケーションによって電圧とクロック速度を変化させ,電源消費を抑えている。スリープモードでは,わずか20ミリワットを使用するだけとなっている。

 同日,AMDからアナウンスされたK6-2Eというプロセッサーは,350MHzのローパワー版でさえ,11ワットの消費電力。700MHzで1〜4ワット程度に抑えられるクルーソーは,格段に違いを見せつけている。まぁAMDチップの消費電力の多さは閉口ものだが(たぶんペンティアム3との熱温度比較のデータ写真(^^ゞ)。さらにクルーソーは,どのようなソフトウェアが使われているか,どのような処理が行われているか,などを命令処理ソフトが学習していき,さらなる消費電力の低下を実現していく。いわば,生き続けるための頭脳を持ったチップというところか。

 パソコンは性能があがればそれだけ熱を出すもの,という固定概念が我々にはある。だから,とんでもない高性能チップには,扇風機のようなファンや化け物のようなヒートシンクが付いていたり,冷却水が絶えず循環しているような絵を想像してしまう。だが,チップ自体の構造を単純にできれば,そんなものは必要なくなる。トランスメタの“冷たい”衝撃は,その方法を(命令処理ソフトという方法で)産出したことに起因している。



 
[2000.01.20]
  スプリングフィールドでクラスティーバーガーを


 ▼アニメ『シンプソンズ』が無料ネット接続(CNET Japan)
  http://japan.cnet.com/News/2000/Item/000119-8.html


 バートはどこだ? リサは? バーンズ社長は? クラスティーは? ミルハウスは? スキナー校長は? モーは? アーブーは? ワイヤードはまるでスプリングフィールド。彼らもきっと,ここにいるに違いない。

 米フォックス・ネットワークの親会社である豪ニューズ・コーポレーションは,人気テレビアニメ『ザ・シンプソンズ』ブランドの無料インターネット接続サービスを,ザ・シンプソンズ・ウェブサイトから提供しはじめた。このサービスは,ユーザーの画面に広告を表示し,ネットサービスの傾向などの個人情報を提供することで提供されているる。

 記事の一番最初にもあるが,ホントに,なんてこった!という感じ。世界でもっとも信用のおけないシンプソン一家がプロバイダーサービスをしているなんて…。とはいうものの,ワイヤードという空間は,シンプソンズが住んでいるスプリングフィールドに似ている気もする。どたばたがいつも起きて,悪いことを平気でするやつらがいっぱいいて,でもとことんノーテンキで。街には原発があって,それが生活の源になっている(主人公であるホーマーのはげは原発で働いてるせい(^_^;))というのも,大きな危険がすぐそばにある現状に似ている。

 そういえばだいぶ前には,かのビル・ゲイツもこの番組に出演したことがあった。それがまた悪い人相で笑わしてくれた(^_^;)(画像)。どのサイトに行ったかとか,そういう情報を提供しなければいけない無料接続サービスは,どうもあまり普及するとは思えないのだが,シンプソンズファンにターゲットを絞ったようなミニマムなカタチでは,それなりにうまくいきそうな気もする。日本でもオタク向けに,同様のサービスを運営できそうな気も…。



 
[2000.01.19]
  埋蔵物の在り処


 ▼SIIのWebアンケートで個人情報が大量漏洩--同社が謝罪(Nikkei BizTech News!)
  http://biztech.nikkeibp.co.jp/wcs/show/leaf?CID=onair/biztech/speed/91850


 入力フォームに入力した情報は,おおむね,サーバーに寝かせてある。寝ているものは起こすことができる。徳川埋蔵金を探すのは大変だが,そこいらの中小企業のアンケートフォームなら,簡単にお宝にありつける,かも。

 セイコーインツルメンツ社は18日,Webページ上のアンケートで収集した個人情報,1000件以上が漏洩していたことを明らかにし,謝罪文を掲載した。同社のアンケートは,もともとデータの暗号化処理などを施していたが,サーバー入れ替えの際に,それらが無効になり,インフォシークなどの検索エンジンに,個人情報を格納したファイルが検出される結果となった。

 先日の,米国のオンラインCDショップからのクレジットカード番号漏洩(過去記事)に続いて,この手の話が耳につく。に,してもなんともお粗末な事件。個人名,メールアドレス,住所,電話番号などの情報が格納されていたそうなので,名前や地名などでテキトーに検索した人は当たったかもしれない,おめでとう(^_^)。

 まぁ本来暗号化されていたのなら,「ぼけ」呼ばわりされて終わる話だが,そこいらで配付されているアンケートCGIなら,けっこうデータ部分までたどり着けることが多い。まずCGIの置き場所をソースから確認する。そこでCGIの名前を削って,ディレクトリが丸見えになったらしめたもの:-P。データファイルっぽいものを,ディレクトリをたどって探せばいい。企業のホームページなどでも,案外置きっぱなしになっていることが多い。CGIを置くディレクトリには,中身が空っぽの「index.html」ファイルを置くように,心がけたいものですなぁ(安易なセキュリティーですけどネ)。



 
[2000.01.18]
  神曲としてのワイヤード


 ▼『神曲』の世界を探検するユネスコのサイト(WIRED NEWS)
  http://www.hotwired.co.jp/news/news/culture/story/3586.html


 ダンテ『神曲』地獄編。地獄の門には「汝ら,ここに入るものはいっさいの望みを捨てよ」と書かれている。ワイヤードの果てで,そこにたどり着いたものは,その言葉の意味を知るだろう。

 国連教育科学文化機関(ユネスコ)が,ダンテの『神曲』の世界をウェブ上に展開するプロジェクトを進行させている。1枚の絵からダンテの世界の旅をはじめ,順を追って作品を進むこともできるし,ひと足飛びに天国や地獄,煉獄に行くこともできる。ユネスコは,このプロジェクトにより,著作権の切れた作品の存在にウェブが注目することを期待している。

 ワイヤードは,どこまで繋がっているのだろうか。リンクをたどり,検索エンジンを通り抜け,もしかしたらワイヤードは,地の果てを飛び越え,天国や地獄,煉獄までをも繋がっているのではないかとも考えるときがある。もしも,終わりというものがない世界であるとしたら,我々はなんとあてのないところで,無秩序にのさばっているものかとも考える。

 リアルワールドのいっさいを飲み込み,リアルワールドには存在しないビットの世界が広がり続けるワイヤード。あえてダンテの『神曲』を持ち込まなくても,すでにワイヤードには天国も地獄も煉獄もある(と予感させる)。リンクをたどりにたどって行き着く,ワイヤードの地獄の扉に書かれている文字は,なにかな?



 
[2000.01.17]
  エフェクトを捕まえろ


 ▼CBSが画面の細工でNBCとバーチャル戦争(WIRED NEWS)
  http://www.hotwired.co.jp/news/news/technology/story/3580.html


 「このニュースは今この時間に流しているものですが,このニュースが届くのは,明日,もしくは昨日になることもありますのでご注意下さい」…。そんなエフェクトが加えられるときも来るだろう。その時,我々は,それに気付くことができるのか?

 米CBS社がニュース放送中,タイムズスクエアに取り付けている米NBC社の巨大なビデオ広告用スクリーンを,デジタル処理で見えなくしていることで,NBCはCBSに中止するよう申し入れている。CSBのニュースキャスターは正式に「間違いだった」と謝罪している。

 アメリカンフットボールのNFLのTV放送に,今季からバーチャルファーストダウンマーカーというシステムが取り入れられている。ファーストダウンとなる地点に,実際にはない,黄色いラインが引かれているのだ。特に違和感もなく,その線の上を選手たちが駆け巡り,カメラが左右に動いたり,引いたり寄ったりしても全然問題なく線がある。どういう仕組みなのかはわからないが,おんなじものを使えば,画面上の特定の箇所を他の情報に置き換えるのは簡単だろう。

 ワイヤード上では,手軽に,簡単に,リアルな情報にエフェクト(影響)を与えることができる。いない人物を作り上げることもできるし,違う自分を作り出すこともできる,時系軸を狂わせることも可能になるかもしれない。記事中にあるようなエフェクトなんて簡単で,服の模様を変えたり,人相を変えたり,いない場所にいるように見せたり,情報の一部を消去することもできる。株式市場ナスダックの管理システムの前に立つことができれば,株式相場を自由に変更し,世界を恐慌に落とし込むことだってできる。そのエフェクトを捕まえるのは,殊の外,困難なのは,まだ実感をもって語られていない事実だ。



 
[2000.01.16]
  MSの新時代への穿ち


 ▼ゲイツがCEOを辞任、会長職には留まる(CNET Japan)
  http://japan.cnet.com/News/2000/Item/000114-5.html


 MSには3つの核がある。その3つがともに違う方向に視線を向けているように仕向けているようにも見受けられる。もちろん,これは穿(うが)った見方だが。

 マイクロソフト社のCEOビル・ゲイツは,そのCEO職を辞任し,現社長のスティーブ・バルマーに譲る予定だと語った。ゲイツは会長職にとどまり,新設した主席ソフトウェア設計者の地位に就く。内部的にはバルマーがマイクロソフトを統率するが,象徴としてのゲイツの地位は変わらないだろう,という見方もある。

 MSを象徴している名前は3つある。共同設立者たる,ビル・ゲイツとポール・アレン,そしてちょっと遅れて仲間に加わったスティーブ・バルマーだ。創設時,ゲイツとアレンはコンピューター言語を書くことに夢中になり,バルマーはどうやったら商売として成功するかを楽天的ながら考えていた。MSの希代稀な成功の裏にある事実は,実はこの3人ともが,いずれも長けたマーケティング能力を持っていたこと,なのだ。

 司法省によるMS分割案(過去記事)でもっともありえるのは,この3人にそれぞれ,OS/ブラウザ/アプリケーションの3つを与えて,分けるというものだ。だが,今回の人事変動で,ゲイツは経営からは身を引いたことになる。アレンは新興企業にMSとして出資したり,はたまた自ら新しい企業を創設したり(もっとも注目はあのトランスメタ社(過去記事)だ)と趣を変えている。それぞれの役割を明確にし,3つに分けられることを拒否する姿勢,と今回のニュースを読む見方もあるだろうな。



 
[2000.01.14]
  3D OR NOT 3D?


 ▼MetaCreationsが欧州オフィスを閉鎖(MacWIRE ONLINE)
  http://www.zdnet.co.jp/macwire/0001/13/n_meta.html


 輝かしきソフトのひとつであるBryceは今,3D OR NOT 3D?,もとい(^^ゞ,To be or not to be?の瀬戸際にある。さて,誰がBryceに救いの手を差し伸べるのか?

 メタクリエイションズ社は,グラフィック製品を売却し,電子商取引用3D製品メタストリームに専念するという動きの一環として,欧州各地のオフィスを12月31日で閉鎖した。グラフィック市場からの撤退の決定は,メタクリエイションズにとっては劇的な転換だが,残されたカイズ・パワー・ツールズ,ブレイス3D,ペインター,レイ・ドリーム・スタジオを始めとするグラフィックツールの運命はいまだに不透明だ。

 ちょっと前からのマックユーザーなら,ブレイスという名前に郷愁をひかれる人も多いだろう。超美麗な3D風景画を作るのに,ブレイス以外のものなど考えられない。それは,各3Dソフトが大人気の今でも,こと風景を作ることに関して,こと官能にこたえる美しさを最大限に出すためには,ブレイスは今だ独壇場の立場にある,と思われた。が,12月22日にメタクリは声明を出し, メタストリーム以外は切り捨てるとした。2Dや3Dのソフトは,売却先を探しているようだ。先日のマックワールドエキスポでは,メタクリのブースは空のままで期間を終えた…。

 ブレイスは,ちょんと山を作って,雲を漂わせ,川を流して,レンダリングするだけで,びっくりするほどの美しい風景を作ることができる。熟練者の手にかかればとどまることがない()。だが,使うほどにインターフェイスが整っていないことがわかったり,アニメーション機能が完璧でなかったり,といった不備も目に付く。さらにはレンダリングの遅さは特筆もの。ちょっと大きいもののレンダリングだと二晩,三晩は当たり前だった(^_^;)。だが,いくつかの不備を直しさえすれば,今のG3,G4の威力で,大きくまた力を発揮できるはず。ブレイスのチームを買い取るのは,かなりいい商売になると思うけど,どうだろう。



 
[2000.01.13]
  現代セキュリティーの常識


 ▼CD Universeのクレジットカード番号盗難犯人,盗んだカード番号の再公開を予告(ZDNet News)
  http://www.zdnet.co.jp/news/0001/12/thief.html


 「クレジットカードの番号って入れてもいいのかな〜」なんて,不安になっている人も少なくなっている昨今。はて,セキュリティーに革命的な進化があったなんてニュースは聞かないけど,ねぇ。

 「マキシム(Maxus)」という名のクラッカーが,オンラインCDストアのCDユニバースから30万人分のクレジットカード情報を盗み,ウェブサイトにその情報を公開した。犯人は,CDユニバースがデータ処理に利用している,サイバーキャッシュ社のECVerifyにセキュリティーホールがあると警告している。

 セキュリティーソフトの制作会社は,絶えず,そのソフトを改善していかなければいけない。万全だと思っても,使われるほどにほころびが見えてくる。改善をやめると,すぐにもセキュリティーは穴だらけになる。だから,改善を怠っているソフトを利用し続けてはいけない。クレジットカードの情報をウェブ上に貯蔵すると,確かに利便性は上がるが,安全性は大きく下がる。もしそうしたいなら,_最新の_暗号化技術を使うこと。アクセスを大幅に制限すること。そして,暗号のためのキー,アクセスのためのキーを頻繁に変えること。まじめに物事を考えているところなら常識だろうが,今回のCD Dショップには,その常識がなかった,という,ただそれだけのことだ。

 いつの間にか,多くの店舗がネットワーク上に並び,あちらでもこちらでもクレジットカード番号を要求されるようになった。だが,セキュリティーシステムの進歩は,ちょっと前の,我々が不安にびくびくしていた時期から,大きな進歩なんてしてはいない。カード番号が盗まれるという事件は,公になっていないだけだと思っていい。マキシムは,そのことを,教えている。(記事参照: APBnews



 
[2000.01.12]
  電話も変わらなきゃ


 ▼嫌煙権の次は嫌「携帯電話」権(WIRED NEWS)
  http://www.hotwired.co.jp/news/news/3549.html


 携帯電話が電話機ではなくメール端末になるのは,いつなんだろう。世界はちょっとうるさすぎる。世界の電話を止めてくれ,僕は静かにメールが読みたい。

 携帯電話は都市の風景の一部になった。しかし,マナーに関する論争は烈しさを増している。携帯電話は使うためにあるとし,常にコミュニケーションをとれる便利さを享受している者たちと,個人の領域を狭められることに反対する者たちとの,戦争だ。ニューヨークには,ほんの一握りながらも,店内を携帯電話が使える席と使えない席に分けているレストランさえある。

 なにをいまさら…と云う話題だが,この問題は日本の方が先行しているのだろうか。携帯電話のマナーについての話はもう出尽くした感があるが,まだまだ,映画館でも,電車の中でも,コンサート会場でも,病院でも,美術館でも,講演会でも,…携帯電話は鳴り続ける。「ダメ」と言っても,「止めて」と言っても鳴り続ける。着信音が耳に障り,話し声が耳に障る。

 問題は,携帯電話というハードはハイテクなのに,相手の声を聞き口で話すという「電話」というものが,まったく変わらずアナログだということだ。1876年の電話の発明からまったく変わらない。電話自体に,なにか変化があってもよさそうなものだ。マイクへの音はすべて吸収してしまう消音機能や,脳波を読み取って音声として発信する機能,ちょっと指向が違うがメール端末として確立するための料金体系を敷く(通話は馬鹿高く,メールは安く),などなど。電話もちょっとは,変わらなきゃ。



 
[2000.01.11]
  約束


 ▼AOLとタイム・ワーナーが合併合意 ネット戦略強化へ(asahi.com)
  http://www.asahi.com/0110/news/business10009.html


 すべてのメディアはワイヤードに統括される。それは,ワイヤード発生時になされた,約束,のようなものだ。

 インターネットプロバイダーのAOL社は10日,映画・ケーブルテレビ・出版など娯楽大手のタイム・ワーナー社と合併することで合意した。新会社「AOL・タイムワーナー」では,AOLの会員がワーナーグループのCNNニュース,『タイム』誌,音楽,映画,ケーブルテレビなどの情報内容を優先的に入手することができるようになる見込み。

 タイム・ワーナーの社員たちは,よもやプロバイダーと一緒になるとは思いも寄らなかっただろう。だが,これこそ,これからのメディアのあるべき道となるだろう。持っているコンテンツはウェブで活かさなければ,なんの発展も生み出さない。日本の出版社,テレビ局,放送局には,たぶんまったくそんな意識はないだろう。その愚かさに気付くのはいつだろうか。タイム・ワーナーの決断は,大きな尊敬を得てあまりあるものだ。今そう思われなくても,数年後には確かになる。

 CNNニュースのTV放送がウェブ上のストリーミングで行われる。タイム誌の内容はすべてウェブで展開される。タイム・ワーナーの映画がウェブ上で公開される。賭けてもいい,_絶対_そうなる。すべてのメディアは,この地で統括される。これは決まり切った道,あらがえぬ道。そして,既存メディアが将来も存続するための,唯一の道となる。約束が果たされるのは,そんな先の話では,ない。



 
[2000.01.10]
  広告付きコミュニケーション


 ▼個人メールに広告を配信する「クリックメール」が成果報酬型広告を導入(Impress INTERNET Watch)
  http://www.watch.impress.co.jp/internet/www/article/2000/0105/clmail.htm


 「ありがとう」のメールや,「ごめんなさい」のメール,はたまた「好きです」,のメールについてくる広告のクリック率は,高い,かな?

 クリックメール社は2月から,個人のメールに広告を配信するサービスに成果報酬型広告を導入すると発表した。これは資料申し込みや商品購入などをした段階で,広告主からクリックメール社に成果報酬金額が支払われ,それが広告を掲載したユーザーにポイントとして還元される。ポイントは,商品や商品券と交換することができる。

 もともと日本では,通信費の高さから,バナー広告よりメール広告の方が理解度が高まるとも云われている。また,メール広告も,企業のリリースやニュース情報などよりも,個人がまとめて,個人が語りかけているような感じのもののほうが,クリック率が圧倒的に高くなるという(富士通総研・サイバービジネスの法則集)。また,一般的なメールマガジンは熟読されている率は低く,広告はあっさりと読み飛ばされていることも多い。なら,いっそのこと個人のメールに広告を載っければ,広告効果の高さは目に見えている。うまい,商売のようにも感じるが…。

 これはメディアとしてのメールマガジンの話ではなく,個人のコミュニケーションの話である。本来お金がかかりそうなメールマガジンに,広告を付けることで無料で配信するのと,もともとただでしかないコミュニケーションメールに,金儲けとしての広告を付けるのとは訳が違う。そこに,対等なコミュニケーションは存在しえない。と,な〜んとなく,思いますが…,どなんでしょうねぇ。(記事ネタ元参照m(_ _)m:すてっぷ ばい すてっぷっ!さん)



 
[2000.01.09]
  テープメディア・エントロピー


 ▼DVDがコンシューマー・エレクトロニクス・ショーでブレイク(CNET Japan)
  http://japan.cnet.com/News/2000/Item/000108-4.html


 カセットテープ,ビデオテープと云ったテープメディアが,21世紀にも存在するなんてことは考えもしなかった。テープメディアは今世紀中には滅びて,過去の遺物になる,みんながそう思っていた,のだが。

 ラスベガスで開催されているコンシューマー・エレクトロニクス・ショーで,DVDは「ミレニアムのメディア」としてブレイクしている。今年,DVDタイトルはビデオの半分の売り上げを生むことが予想されており,それにつれてファイヤーワイヤー・インターフェースを付けた,プレーヤー,レコーダーが多く出品されている。

 アナログレコードがCDに置き換えられていったように,ビデオテープはDVDへの道筋を確かにしている。と,云いたいものの,これがなんでか地味にしか進んでいない。DVDの話が出始めたころなど,今世紀中にビデオテープを全部食ってしまうだろうとも云われていたのに…。発売されるタイトルが,「ビデオ,LD」から「ビデオ,DVD」に置き変わってきているのも確かだが,今だビデオテープは,ムーピーメディアとして首位だったりなんかりする。

 使用するほどに消耗・損耗していくし,目的の個所を探すのに,すべての_単位_を送らなければいけない(スキップできない)。そんなテープは,メディアとしては前時代的な印象を拭えない。テープメディアは滅びの道をたどる一方,のはずだった。でも,残っている。新世紀まで持ちこたえそうだ。なぜなんだ(?_?)。不思議なエントロピーに支えられて,ビデオはDVDを抑止し続けている,いい悪いは別にしてね。



 
[2000.01.08]
  エビアンとジーンズと


 ▼「暫定」がとれるアップルのジョブズCEO(WIRED NEWS)
  http://www.hotwired.co.jp/news/news/business/story/3540.html


 今のアップルに,必要であるものをまぶたの裏に思い描く。…エビアンのペットボトルと,ブルージーンズと。その風景こそが,今のアップルに望まれる,すべて。

 サンフランシスコでのマックワールド・エキスポの基調講演演説で,アップル社暫定CEOのスティーブ・ジョブズは,暫定の文字を取り,正式なCEOに就任したことを発表した。発表がなされたとき,マックファンの聴衆からは喝采が起こり,洞穴のように巨大な会場を満たした。

 よくよく考えてみる。アップルのすべてを理解しようとすると,それはジョブズのすべてを理解しようとすることと同義なのだ。それはジョブズがアップルに居なかった85年9月から97年9月の間の時代も,そうだった。その10年の間,「すべて」である人物がいないのに,成長しようというのが間違いだった。その垢が取り払われるかのような"i"CEOとしての2年あまりが消化され,本来あるべき姿に,アップルは戻った。そう,これは「戻った」に過ぎないのだ。エビアンのペットボトル,ブルージーンズ,黒のタートルネックが,そこにいる風景は,アップルの日常,でなくっちゃいけない。

 彼を褒め称える言葉も,また非難する言葉も,すでに語り尽くされている。だが,もうひとつだけ。彼は,一度もマイクロソフトに「勝つ」ための戦略をとらなかった。勝つためにはビジネス部門での成長を遂げなければいけないとか,包括的なソフトウェアを提供しなければいけないとか,そんな言葉を彼は一度も実行しなかった。ただ,創造的であり,センシティブであり,新しい時代を構築するにたる,完璧な製品を作っているだけだった。「勝つ」のではなく,それが一番大事だということを思い出させてくれた彼に,「お帰りなさい,そして,これからも…」。



 
[2000.01.07]
  踊るOS,その気概


 ▼「生命有機体」になったFinder(MacWIRE ONLINE)
  http://www.zdnet.co.jp/macwire/0001/06/c_outside.html


 見た? あの新しいOS。踊るらしいよ。凄いよ。ゾクゾクするよ。楽しそうだよね。

 噂の新しいパワーブックは発表されなかったが,マックワールド・エキスポ/サンフランシスコの基調講演演説で,アップル社CEOのスティーブ・ジョブズは,新しいOS,マックOS X(テン)のインターフェイスなどをお披露目した。それは,今までのマックOSと比べて,有機的で生命体のような感じを与える。ウインドウズ陣営の新たな模倣の機転となるだろう。標準のドキュメント作成ソフト「PDFコンポーサー」とともに来世紀のイメージを先取りしたものとなっている(アップルのMacOS Xのページ)。

 ハードウェアの新しい発表が何もなかったが,それは次のマックワールド・エキスポ/東京まで待つとして,マックOSの新しい姿は,目に鮮やかに残った。OSだから,使ってみなくちゃわからないのも確かなのだが,その片鱗を見ただけでも,胸のすく思いがするじゃないか。0)マックOS Xのデスクトップ,1)ウインドウズのタスクバーに似てるようだが全然違うドック,踊ってる踊ってる(^_^)(2.4MB),2)そのドックへの出し入れ,踊ってる踊ってる(^_^)(0.6MB),3)PDFコンポーサーでのドキュメント作成風景,踊ってる踊ってる(^_^)(1.9MB)。

 今までマックOSを使っていたものなら直感的にわかるインターフェイスを維持しつつ,洗練されたその姿。マックOSは,その完成度の高さから,いささか進化を躊躇っていたきらいがあったが,やっと新たな一歩を踏み出したようだ。その気概を,早く手元で感じたいものだ。



 
[2000.01.05]
  2000年問題君所在不明


 ▼72時間生特番 西暦2000年問題の今(Nikkei BizTech News!)
  http://biztech.nikkeibp.co.jp/biztech/report/2000/


 まったくなにも全然ひとつも,準備をしない出迎えた2000年は,どんなだったろうか。歴史の針は戻せないが,もしその時を迎えることができたら,いろいろ楽しいこともあったろうに,って云うのは不謹慎かな。

 相次いで問題なしの報告がなされる中,目に付くトラブルは,気象庁端末で「00」を「100」と表示(記事),北陸・志賀原発で監視システムで異常(記事),女川原発でデータ収集用コンピューターが一時的に異常(記事),岐阜県5町村のMS-DOS OSの業務システムに異常(記事),外務省のメール・システムに障害(記事),東芝が「Libretto ff 1100V」用のトラブル修正モジュールを配付(記事)。

 結局,水が出なくなることも,電気が止まることも,飛行機が止まることも,パソコンが爆発することも,なにもなく終わった感じの2000年問題(過去記事)。これから日常の業務が始まってからなにかが起こるという話もあるが,生きるのに困るほどのことは起きないだろう。わかっちゃいたけど,寂しいような,物足りないような…。

 米国では,2000年問題に巨額の費用をかけ,年越しに多くの社員を出勤させたりなんかりしたことが,正しかったのかと論議が起こっているようで…。あそこまで準備をし,いろいろと心配や不安に悩まされたのに,ほんの些細なトラブルで終わってしまった…,と云う感じらしい。かえって,あまり対策に積極的でなかったイタリアなどの国がもてはやされたりなんかりして…。なんの対策もせずに,迎える2000年を見てみたかったものですな(^_^;)。



 
[2000.01.04]
  20世紀は終わらせない!


 ▼2000年を予想する (MacWIRE Labs編)(MacWIRE ONLINE)
  http://www.zdnet.co.jp/macwire/9912/27/c_2000pro.html


 21世紀まであと1年。だが,まだまだ21世紀になるには早すぎる。20世紀のうちにしてしまわなくちゃいけないことは,いっぱいある。そう,20世紀は,まだ終わらせない。

 アップル社・マック業界では,98年,99年は発展の年だったが,2000年は成熟の年となるだろう。新しさは少ないが,感心させられる動向が見られる年だ。ハードウェアでは,1月のマックワールド・エキスポ/サンフランシスコで,マルチプロセッサモデル,PowerMac G3シリーズのスペシャル・エディション・モデルの登場が噂されている。

 1月4日からサンフランシスコで行われるマックワールド・エキスポ/サンフランシスコの噂は,すでにいろいろなサイトで取り上げられている。5日にスティーブ・ジョブズのキーノース・スピーチを中継するZDTVページでは,新しいパワーブックシリーズ(コードネーム:ピズモ)の登場,マルチプロセッサーのG4,マックOS9のマイナーアップデート,G4のクロックアップなどがあるかも,としている。一番可能性が高い,ピズモではその筐体の色も楽しみ。昨年のG4の流れから云うとグラファイトだけど,私の予想はグリーンと見た!(根拠なし^_^) また,噂サイトのApple Insiderページでは,17インチのiMacの発表という風の噂を取り上げている。

 小説・アニメの世界だけでなく,我々は21世紀にひとつの感慨を抱いている。21世紀にはこんな世界が…,というものがあるものだ。それを現実に迎えるまで,あと1年しかないと思うと,かなりせっぱ詰まった状況かもしれない。ずっと憧れをもってみていた夢の世紀を迎えるには,あまりにも実現していないものが,多すぎる…。20世紀は,まだ終わらせない。アップルにも,そんな意気込みが欲しいところだ。




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